2019年11月26日
ブルゴーニュ・ブーズロン村の生産者「ドメーヌ・ド・ヴィレーヌ」来日
ド・ヴィレーヌの当主兼造り手のピエール・ド・ブノワが来日しました!
 2019年11月上旬、ブルゴーニュ・ブーズロン村のドメーヌ「ド・ヴィレーヌ」より当主兼造り手のピエール・ド・ブノワがプロモーションのため来日しました。
ドメーヌ・ド・ヴィレーヌは、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの共同経営者であるオベール・ド・ヴィレーヌと妻のパメラが1971年にブーズロン村で設立しました。
ピエールはオベール氏の甥で、2000年よりドメーヌに参加。出身はロワールのサンセール村で、家族もソーヴィニョン・ブランをつくるワインメーカーです。
オベールはブーズロン村に植わるアリゴテは他の村のアリゴテとは違った性格、味わい、テロワールとの結びつきがあることに気づきました。 そして、1998年にアリゴテを唯一の品種として認める「ブーズロンAOC」の制定を働きかけました。
ちなみに、ブルゴーニュの45アペラシオンのうち、ピノ・ノワールとシャルドネ以外からできるワインは、ソーヴィニョン・ブランで造る「サン・ブリ」と、このアリゴテで造る「ブーズロン」だけです。
 ブーズロン村のアリゴテは、丘の上部250m〜300mに植えられています。
ピノ・ノワールやシャルドネには 寒すぎる気候ですが、アリゴテには向いています。 このアリゴテは「アリゴテ・ドレ」と呼ばれるクローン であり、一般的なアリゴテと比べ果皮が厚く、糖度が高 く、香りも華やかです。
土壌は粘土、石灰、泥灰の混じっ 独特の土壌です。この土壌はアロース・コルトンの土壌に似ています。 昔はアロース・コルトン村ではアリゴテが多く植えられており、 上質なアリゴテの白ワインが造られていたそうです。 残念ながら、フィロキセラにより絶滅した後は、 ピノ・ノワールやシャルドネに植え替えられました。
ブーズロンの特徴は独特な苦味にあります。この苦味はアリゴテ・ドレの厚い果皮から出てきます。
近年、温暖化の影響による、ブドウの酸不足が懸念されていますが、 アリゴテの果皮からしみ出た独特な苦味が酸を補う役割を果たし、ワインにフレッシュさを与えます。
ドメーヌでは設立から現在まで、大樽を使って醸造しています。 大樽を使うことで、通常の小樽(228ℓ)よりも、空気との酸化還元作用はゆっくり行われます。 樽は、畑の生産量に合わせて畑ごとに作られています。
イベントで人気だったのがブーズロン2016年ヴィンテージです。
2016年は80%が霜の被害に遭い、通常1本の樹から10〜12房付くところが3〜4房しか付きませんでした。
暑かった年に水分の蒸発で熟するのとは違い、2016年は自然に量が減り、水分が蒸発すること無しに熟したため、 良質なブドウが出来ました。とてもアリゴテとは思えないほどの厚みと複雑さを備えたワインでした。
今回の来日で、ピエールのブーズロンにかける想いに並々ならぬものを感じました。
ブーズロンの普及に尽力し、現在はACブーズロン生産者組合の組合長を務めています。 また、ピエールは少しスピリチュアルな話も多く、 「ワインには色々なメモリー(ブドウ、テロワール、人間)が詰まっています。ワインを飲むときはフルーツの先にあるものを探ることが大切です。」 と話していました。
◆「ド・ヴィレーヌ」生産者・ワイン情報および在庫状況は以下リンクからご覧ください。
ド・ヴィレーヌ 生産者ページ
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